工事前の課題
経年劣化に負けない住まいづくり

本物件は1994年築、RC造地上5階建て、全52戸の中規模マンションです。築30年を超えた建物であり、経年劣化による複数の課題が顕在化していました。特に天井部においては鉄筋爆裂が各所で確認されており、コンクリートの剥落による安全面の懸念がありました。また、バルコニーの手摺天端にはひび割れが多数見られ、雨水の浸入や内部鉄筋の腐食進行が懸念される状態でした。さらに、駐車場と建物の距離が非常に近いため、工事中の足場設置や作業スペースの確保に制約があり、安全かつ効率的な施工のためには緻密な計画と対応力が求められる現場でした。こうした複合的な課題に対し、入念な現地調査と工程設計をもとに、早急な修繕が必要とされていました。
工事後の成果・効果
入居者満足と資産保全を両立

施工にあたっては、まず鉄筋爆裂部の補修を重点的に実施し、コンクリートの断面修復と鉄筋防錆処理を丁寧に行いました。これにより、構造体の健全性と安全性を大きく回復。手摺天端のひび割れには、高耐久の弾性樹脂を用いて再発防止策を講じ、今後の劣化進行も抑制しました。駐車場と建物の隙間が少ない状況にも対応し、仮設足場は最小限の空間で安全に施工できる特殊仕様を採用。居住者や車両への影響を極力抑える工夫を施しました。全体として、建物の耐久性・防水性・安全性が大幅に向上し、長期的な維持管理コストの抑制にもつながる修繕となりました。住民からも「丁寧で安心感のある工事だった」との声が寄せられています。
施工のこだわり
躯体補修+快適性アップ。長く住み続けられるマンションへ

東輝建設では、建物の状況に応じた最適な補修方法を選定するだけでなく、限られた施工条件下でも高品質な仕上がりを実現することにこだわっています。本物件では、鉄筋爆裂やひび割れといった経年劣化に対し、見た目の補修だけでなく、内部からの構造補強と防水処理を徹底。さらに、駐車場との狭小スペースでも安全に作業を行うため、現場ごとの仮設計画や動線管理を緻密に行いました。また、居住者への配慮として、工事案内や工程説明も丁寧に行い、安心して工事期間を過ごしていただける環境づくりにも注力しました。目先の仕上がりだけでなく、10年後・20年後の建物価値を見据えた施工提案こそが、私たち東輝建設の強みです。